日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2434-7019
Print ISSN : 2434-2912
第58回日本小腸学会学術集会
セッションID: S2-4
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シンポジウム2 小腸腫瘍の診断と治療
Monomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma(MEITL)の臨床病理学的検討
*松岡 弘樹石橋 英樹阿部 光市今給 黎宗松岡 賢向坂 秀人久能 宣昭船越 禎広原田 直彦二村 聡竹下 盛重平井 郁仁
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抄録

 Monomorphic epitheliotropic intestinal T-cell lymphoma(MEITL)は、腸管穿孔などの急性腹症で発症する予後不良の比較的稀なT細胞リンパ腫である。本邦や東アジアに多く、coeliac病の先行が少ない、CD8陽性、CD56陽・陰性、CD30陰性の小~中型リンパ球からなるびまん性リンパ腫である。病理組織学的には、腫瘍性IELs(intraepithelial lymphocytes)とenteropathy-like lesionが特徴的所見である。今回、我々は、全消化管を検索し得た4例の臨床病理学的特徴について詳細に検討した。症例は男女各々2例(平均59歳)、症状は、慢性下痢(2例)、体重減少(2例)で、血液検査では、全例に低アルブミン血症、可溶性インターロイキン2受容体上昇を認めた。内視鏡検査では、全例に、十二指腸・小腸の絨毛の萎縮を認め、十二指腸から大腸にかけて浮腫状粘膜を認めた。さらに、症例1は胃陥凹性病変、症例2は空腸に潰瘍形成を伴う腫瘤性病変、症例3は直腸縦走潰瘍、症例4は十二指腸第2部にピンホール様の狭窄と粘膜下腫瘤様隆起を伴っていた。病理組織学的には、腫瘤や潰瘍形成部に腫瘍性IELsを認め、十二指腸・小腸の浮腫状粘膜にenteropathy-like lesion、大腸の浮腫状粘膜にlymphocytic colitisに類似した組織像を認めた。以上より、MEITLは全消化管に病巣を形成することが示唆された。MEITL疑診例では、全消化管を検索する必要があり、特に、十二指腸・小腸の絨毛萎縮を伴う浮腫状粘膜、大腸の浮腫状粘膜に着目し、当該部からの生検組織におけるenteropathy-like lesionやlymphocytic colitis類似像の有無を確認することが、肝要である。

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© 2020 本論文著者
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