食品衛生学雑誌
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農産物中のN-メチルカルバメート系農薬及びその代謝物の一斉分析法
小林 麻紀永山 敏廣高野 伊知郎田村 康宏木村 奈穂子北山 恭子斉藤 和夫
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2002 年 43 巻 3 号 p. 133-143

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抄録
農産物中のN-メチルカルバメート系農薬及びその代謝物を含む38種類について精製及び一斉分析法について検討した.農産物中のN-メチルカルバメート系農薬はアセトンで抽出した後,ジクロロメタンに転溶した.次いで,SupelcleanTM ENVITM-Carb SPE,Bond Elut® PSA及びSAXの順に直列に接続したカートリッジに負荷し,アセトン-n-ヘキサン混液で溶出して精製した.この精製処理により既存法では問題となる妨害成分の多いかんきつ類をはじめ種々の農産物中のN-メチルカルバメート系農薬が,ポストカラム反応蛍光検出器付きHPLCにより精度良く一斉分析できた.種々の農産物にN-メチルカルバメート系農薬を 0.10 ppm 添加したときの回収率はおおむね60~110% であり,検出限界は 0.005 ppm であった.
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© 2002 公益社団法人 日本食品衛生学会
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