食品衛生学雑誌
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ガスクロマトグラフィーによる農作物中総臭素の改良検出法
八巻 ゆみこ堀井 昭三橋本 常生笹本 剛生牛尾 房雄鎌田 国広井部 明広
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2005 年 46 巻 3 号 p. 124-126

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抄録

果物および穀物における総臭素分析の公定法は,臭素を3-pentanoneで誘導体化し,GCで分析する方法である.この方法は選択性が高く優れた方法であるが,試料によっては,きょう雑物ピークがクロマトグラム上に検出される.そのため,今回は誘導体化に3-hexanoneを使用し,きょう雑物ピークの軽減を行った.試料はアルカリ処理を行い,電気炉で灰化した後,過マンガン酸カリウム溶液で酸化し,3-hexanoneで誘導体化した.検量線は0.1~5.0 μg/mLの範囲まで良好な直線性を示した.本法の検出限界(S/N=10)は0.1 μg/mL(試料1 g当たり1 μg~5 μg)であった.果物,穀物およびハーブに5~25 μg/g添加したときの平均回収率は84.2~96.9%,相対標準偏差は1.4~6.3%であった.本法は日常検査法として有用であると思われる.

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© 2005 公益社団法人 日本食品衛生学会
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