食品衛生学雑誌
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Duplex PCR法を用いた遺伝子組換えパパイヤ改良検知法
山口 昭弘清水 香織三嶋 隆青木 信太郎服部 秀樹佐藤 秀隆上田 信男渡邉 敬浩日野 明寛穐山 浩米谷 民雄
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2006 年 47 巻 4 号 p. 146-150

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抄録

遺伝子組換え(GM)パパイヤの同定においてわが国の公定法のPCR法を改良し,簡便かつ迅速な検知法を開発した.凍結乾燥処理を省略し,生果肉から直接シリカゲル膜タイプの市販キットを用いてDNAを抽出した.GMパパイヤ特異的遺伝子およびパパイヤ内在性のpapain遺伝子を同時に増幅するduplex PCR法を開発するために,papain遺伝子に対する公定法のPCR増幅産物(211 bp)の内側に,新たなプライマーペア papain 2-5'/3' を設計した.GMパパイヤ検出用のプライマーペアには公定法と同一のものを用いた.これらのプライマーペアを同一チューブ内に共存させて増幅させる duplex PCR 法を行った後,増幅産物をアガロースゲル電気泳動またはマイクロチップ電気泳動により同時検出した.本法により簡便,迅速なGMパパイヤの同定が可能であった.

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© 2006 公益社団法人 日本食品衛生学会
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