食品衛生学雑誌
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マウスのストレス性胃炎に対する酸性キシロオリゴ糖の抑制作用
芳野 恭士東 直樹古賀 邦正
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2006 年 47 巻 6 号 p. 284-287

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抄録
トウモロコシのキシランから精製した酸性キシロオリゴ糖を,100または200 mg/kg体重の投与量でマウスに経口投与したところ,寒冷拘束ストレスによる胃粘膜の出血痕数が有意に低下した.また,酸性キシロオリゴ糖には,3.3~4.3 mg/mLの濃度範囲で濃度依存的なスーパーオキシドアニオンラジカル消去作用が認められ,そのIC50 値は3.5 mg/mLであった.酸性キシロオリゴ糖の示した抗酸化作用は,その抗胃炎作用に一部寄与しているものと考えられる.酸性キシロオリゴ糖の関連糖であるキシロース,キシロビオース,キシランおよびグルクロン酸には,100 mg/kg体重の投与量ではマウスの胃炎抑制作用は認められなかった.これらの結果から,少なくとも3量体以上の酸性キシロオリゴ糖には,マウスのストレス性胃炎を抑制する効果のある可能性が示唆された.
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© 2006 公益社団法人 日本食品衛生学会
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