食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
報文
Multiplex PCR法を用いた食品中の特定原材料の検出
橋本 博之眞壁 祐樹長谷川 康行佐二木 順子宮本 文夫
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 48 巻 5 号 p. 132-138

詳細
抄録

食品中の特定原材料を検出するためにMultiplex PCR (M-PCR)法を開発した.植物および特定原材料 (小麦,そば,落花生) を同時検出するM-PCR法を確立するために,植物DNA検出用プライマー対を4対設計した.設計した4種のプライマー対および公定法のプライマー対について,特定原材料3種に対する適用性を検討した.その結果,設計したプライマー対のPlant01-5'とPlant01-3'(増幅バンド長;161 bp)が植物検出用プライマー対として最適であった.この植物検出用プライマー対および公定法の特定原材料検出プライマー対を用い,特定原材料由来ゲノムDNAを鋳型とし,同一チュ―ブ内でM-PCRを行った.その結果,植物および特定原材料に特異的な4つの増幅バンドが検出され,それらは互いに区別可能であった.加工食品への適用性を検討した結果,表示特定原材料が良好に検出された.本法は簡便,迅速かつ安価に植物および特定原材料の遺伝子の検出が可能であった.

著者関連情報
© 2007 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top