食品衛生学雑誌
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カンボジア・シアヌークヴィル沿岸で採捕されたフグ類におけるテトロドトキシンの分布
ニー ライミトナ谷山 茂人柴野 啓輔余 振輝高谷 智裕荒川 修
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2008 年 49 巻 5 号 p. 361-365

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抄録

カンボジア・シアヌークヴィル沿岸に生息するLagocephalus 属フグ3種,シロサバフグL. wheeleri (20個体),モトサバフグL. spadiceus (15個体) およびドクサバフグL. lunaris (82個体) 計117個体につき, マウス試験法により部位別毒性を調べたところ,シロサバフグとモトサバフグは全個体が無毒(2 MU/g未満),ドクサバフグは全個体ないしロットが有毒であった.最高毒性値は, 皮 25 MU/g, 筋肉 67 MU/g, 肝臓 257 MU/g, 腸 127 MU/g, 精巣52 MU/g, 卵巣238 MU/gで,いずれも食用可否の目安となる10 MU/gを上回っていた.LC/MS分析により,毒の本体はフグ毒テトロドトキシン(TTX)と関連成分で,TTXがマウス毒性の80%以上を占めることが示された.

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© 2008 公益社団法人 日本食品衛生学会
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