食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
調査・資料
輸入野菜加工品中の残留農薬実態(1992年4月~2006年3月)
上條 恭子小林 麻紀大塚 健治田村 康宏富澤 早苗酒井 奈穂子影山 百合子高野 伊知郎永山 敏廣
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 50 巻 3 号 p. 146-152

詳細
抄録

1992年4月から2006年3月にかけて東京都内で市販されていた輸入野菜加工品165検体について農薬の残留調査を行った結果,16検体から7種類の農薬が痕跡(0.01 ppm未満)~1.0 ppm検出された.ギリシャ産ぶどうの葉塩漬けから検出されたクロルピリホスおよびキナルホスはポジティブリスト制度施行後の残留基準値を超える可能性があったが,それ以外に検出された農薬では基準値を超えたものはなかった.漬物や乾燥品からは農薬の検出率が高かったが,水煮やピューレ等の水や熱を加えた加工品からは検出されなかった.検出事例はアジアおよび北米地域産が多かった.農薬を検出した野菜加工品について,各農薬の推定摂取量を算出したところ,各ADI値の0.006~20.3%であった.このことから通常の喫食状況で特に問題はないと考えられた.

著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事
feedback
Top