食品衛生学雑誌
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乳および乳製品中のテトラサイクリン系抗生物質を含めた動物用医薬品一斉分析の検討
吉田 絵美子渋谷 孝博黒川 千恵子井上 豊山本 善彦宮崎 元伸
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2009 年 50 巻 5 号 p. 216-222

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抄録

テトラサイクリン系抗生物質はカルシウムなど2価の金属イオンとキレートを形成するため,厚生労働省通知の動物用医薬品一斉試験法を適用して定量することは困難であった.本研究では,エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA-2Na)を用い,カルシウム除去を行うことによって,一斉分析法においてテトラサイクリン系抗生物質を同時に定量する方法の検討を行った.試料からの抽出時にEDTA-2Naを加えることで,テトラサイクリン系抗生物質が一斉分析で測定可能となり,乳で65成分,ヨーグルトで70成分,生クリームで59成分,チーズで67成分,アイスクリームで60成分の動物用医薬品が回収率70~120%,変動係数 25% 未満,定量下限値は0.01 μg/g (S/N≧10) で定量可能だった.

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© 2009 公益社団法人 日本食品衛生学会
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