食品衛生学雑誌
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調査・資料
TLCとGC/MSを用いたテルペノイド系ガムベースの識別法
秋山 卓美林 歩美山崎 壮多田 敦子杉本 直樹尹 永淑功刀 彰棚元 憲一河村 葉子
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2010 年 51 巻 5 号 p. 264-272

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抄録

既存添加物名簿に収載もしくはかつて収載されていたガムベースのうち,トリテルペノイドを多く含有するとされている樹脂であるマスチック,ダンマル樹脂,ニュウコウ,ベンゾインガムおよびエレミ樹脂と,ジテルペノイドを多く含有するとされている樹脂であるロシンおよびコーパル樹脂について,簡便なクロマトグラフィー手法による識別法を検討した.TLCでは品目ごとに互いに異なる特徴的なパターンを示したことから,品目の識別が可能であった.次に,試料をメチルエステル化した誘導体をGC/MSで分析した.TICクロマトグラムは品目ごとに互いに異なる特徴的なパターンを示し,明らかな差異が見られた.また,各品目の主要構成成分を検出することができ,品目ごとに特徴的な,判別の指標成分となりうる化合物が存在した.今回検討したTLC分析法は簡便な確認試験法として,GC/MS分析法は含有成分の確認試験法として利用できることから,テルペノイド系ガムベースの体系的分析法としても品目間の判別法としても有用な試験法である.

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© 2010 公益社団法人 日本食品衛生学会
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