食品衛生学雑誌
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妥当性評価
超臨界流体抽出(SFE)による穀類・豆類中の残留農薬の一斉分析法の妥当性評価
浦西 克維山下 浩一岡山 明子山本 圭吾
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2012 年 53 巻 6 号 p. 278-290

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抄録

超臨界流体抽出による穀類・豆類中の残留農薬分析法を検討した.ペースト状に細切均一化した試料を吸水性ポリマーおよびケイソウ土と混和させた後,抽出容器に充填し,超臨界状態の二酸化炭素で抽出操作を実施した.抽出成分をアセトニトリルに溶解させ,ミニカラム(ENVI-Carb II/ PSA+PSA)で精製した.測定はGC-MS/MSを用い,試験溶液のマトリックス効果の影響を加味し,マトリックス検量線で定量した.5種の農産物について334農薬,添加濃度0.01および0.1 µg/gにおける妥当性評価(2試行×5日)を実施した結果,137農薬が真度,精度の目標値を満たした.また,101農薬は真度が50~70%である一方,精度は目標値を満たした.本法は精度,迅速性に優れ,さらに簡易である点において,穀類・豆類中の残留農薬分析法として利用可能と考えられる.

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© 2012 公益社団法人 日本食品衛生学会
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