食品衛生学雑誌
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トウモロコシ中のフモニシンB1,B2およびB3のLC-MS/MSによる同時分析法の試験室間共同試験
吉成 知也田中 敏嗣石黒 瑛一堀江 正一永山 敏廣中島 正博内藤 成弘大西 貴弘小西 良子
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2013 年 54 巻 4 号 p. 266-276

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抄録

トウモロコシに含まれるフモニシンB1(FB1),フモニシンB2(FB2)およびフモニシンB3(FB3)のLC-MS/MSを用いた同時分析法を評価するために,9機関の共同試験を実施した.試験には添加試料3種,自然汚染試料2種と陰性試料1種を用いた.FB1,FB2およびFB3の回収率はそれぞれ79~87%,79~103%および80~93%であり,室内再現性および室間再現性の相対標準偏差は3種のフモニシンいずれについてもそれぞれ20%および30%以下であり,HorRat値は0.2~0.9の範囲であった.本分析法を用いて,国内で入手したコーングリッツ中に含まれるフモニシンを分析した.以上の結果より,本法はトウモロコシにおけるフモニシンの汚染実態調査に有用であることが示された.

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© 2013 公益社団法人 日本食品衛生学会
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