食品衛生学雑誌
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調味液への浸漬による牛肉中放射性セシウム量の変化に関する検討
鍋師 裕美堤 智昭蜂須賀 暁子松田 りえ子
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2013 年 54 巻 4 号 p. 298-302

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抄録
食品中の放射性物質を低減させる調理・加工に関する情報の収集は,放射性物質の内部被ばく量を低減させ,より安全で安心な食品摂取を実現するために重要である.そこで,本研究では牛肉を用いて調味液への浸漬の際に生じる放射性セシウム(Cs)量の変化を検討した.その結果,牛肉中の放射性Csは,塩分濃度8~10%の調味液中に24時間浸漬することで浸漬前の約20%が,塩分濃度約9%の味噌調味液に7日間浸漬することで浸漬前の約55%が除去された.また,10%食塩水を交換しながら7日後まで浸漬することにより,牛肉中の放射性Csを約75%除去することが可能であった.浸漬後の調味液は廃棄されることが多く,調味液への浸漬は牛肉中の放射性Csの除去に有効であるといえる.
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© 2013 公益社団法人 日本食品衛生学会
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