食品衛生学雑誌
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調査・資料
化学物質のリスク評価における肝肥大の取扱いの基本的考え方
吉田 緑梅村 隆志小島 弘幸井上 薫高橋 美和浦丸 直人北村 繁幸安部 賀央里頭金 正博小澤 正吾吉成 浩一
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2015 年 56 巻 2 号 p. 42-48

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抄録

化学物質で一般的に誘発される肝肥大が生体の適応反応か,毒性(悪影響)かを判断するための科学的な考え方を提示した.外的因子に対して肝細胞の恒常性が維持されている範囲内の肝肥大(肝細胞肥大および肝重量増加)は,適応性変化であり毒性影響ではない.同時に生体の恒常性保持機能の限界を越し,破綻を来した場合の肝細胞肥大は毒性と判断すべきである.具体的には以下の変化を伴う肝肥大は毒性影響の可能性を考える起点になる:(1)肝細胞の壊死と関連する指標や炎症性変化,(2)胆道系の変化,(3)脂質代謝系の変化,(4)色素沈着,(5)タイプや部位の異なる肝細胞肥大の誘発.

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© 2015 公益社団法人 日本食品衛生学会
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