食品衛生学雑誌
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2010年4月から2014年11月の岡崎市におけるジビエ(イノシシおよびシカ)のE型肝炎ウイルス感染状況調査
中根 邦彦伊藤 寛将磯谷 健治板倉 裕子糟谷 慶一小林 慎一
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2015 年 56 巻 6 号 p. 252-255

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抄録

ジビエなどの肉および肝臓の生食あるいは加熱不十分な状態での摂食によるE型肝炎感染事例が各地で報告されている.そこで2010年4月から2014年11月までに愛知県岡崎市内および近郊で捕獲されたイノシシ439頭およびシカ185頭から採取された肝臓についてHEV感染状況を調査した.その結果,イノシシ49頭(11.2%)からHEV遺伝子が検出されたが,シカはすべて陰性であった.また,イノシシにおける推定体重40 kg未満の個体群でのHEV遺伝子の検出率は13.0%(28/216),一方40 kg以上の個体群では2.7%(3/111)と,40 kg未満の個体群で有意に検出率が高かった.分子系統樹解析により,検出されたHEVの遺伝子型はすべてgenotype4であり,4型愛知静岡株と同一のクラスターを形成したが,1株を除き48株はさらに小さなクラスター(Okazaki strain)を形成していた.

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© 2015 公益社団法人 日本食品衛生学会
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