食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
ノート
高タンパク食品中の酸性タール色素分析―精製カラムに負荷する溶液のpHの影響についての検討―
大須賀 愛幸 植松 洋子山嶋 裕季子藤原 卓士田原 正一宮川 弘之水町 敏子門間 公夫
著者情報
ジャーナル フリー
電子付録

2016 年 57 巻 6 号 p. 207-212

詳細
抄録

高タンパク食品中の11種類の許可酸性タール色素分析における精製時のpHについて,手詰めのポリアミド(PA)カラムとOasisHLBカラムを用いて検討した.色素を添加したかまぼこ試料の抽出液のpHをpH 3.0~7.0の範囲で0.5刻みに調整してPAカラムに負荷したところ,pH 3.0~5.5では生じた沈殿がカラムに詰まる傾向があった.また,R3, R104,R105のキサンテン系3色素(3色素)の回収率が26~68%と低かった.pH 6.0~7.0では沈殿が生じず,3色素の回収率も38~79%と比較的高かった.3色素以外は,PAカラムでpHにかかわらず80%以上の回収率であった.一方,HLBカラムを用いて,抽出液をpH 11.0にして負荷したところ,3色素の回収率が70~83%と向上した.以上のように, PAカラムとHLBカラムを併用することにより,酸性タール色素を効率的,かつ良好な回収率で検出できた.

著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top