2017 年 58 巻 1 号 p. 59-64
ミネラルウォーター中の元素(B, Cr, Mn, Cu, Zn, As, Se, Cd, Ba, Pb)をICP-MSを用いて同時に分析する公定法の妥当性確認を行った.すべての分析対象元素において本法の真度は95~106%,併行精度は0.2~1.4%,室内精度は0.4~4.2%の範囲にあると推定され,本分析法は厚生労働省が示すガイドラインの目標値を満たす性能を有することが確認された.また,2013(平成25)年度と2014(平成26)年度に日本の市場に流通するミネラルウォーター類を買い上げ,それらに含まれる各種元素濃度を調査した.調査の結果,すべての試料における分析値は基準値より低い値であった.また,各種元素濃度には入手年や生産国との明らかな関係は見られなかった.