食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
調査・資料
LC-MS/MSおよびDNAバーコーディングを用いた食中毒事例におけるチョウセンアサガオ類の鑑別
牛山 温子赤星 千絵大澤 伸彦清水 智美松島 勇紀清水 英明橋口 成喜
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 58 巻 2 号 p. 86-95

詳細
抄録

2014年,川崎市において,チョウセンアサガオ類の根を家庭菜園で栽培したゴボウと誤認したことによる食中毒が発生した.調理済み喫食残品である根の一部では形態学的鑑別は困難であったため,LC-MS/MS分析を行ったところ,調理済み喫食残品からアトロピン,スコポラミンを検出した.喫食残品とチョウセンアサガオ類およびゴボウの,DNAバーコーディングによる遺伝子鑑別を行った結果,喫食残品はキク科ではなくナス科の植物であることが分かった.LC-MS/MSによる分析とDNAバーコーディングによる遺伝子鑑別の結果を併せて,喫食残品はチョウセンアサガオ類と同定した.

著者関連情報
© 2017 公益社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top