食品衛生学雑誌
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食品および微生物培養液サンプルにおける寒天平板上微生物コロニー数の特性
藤川 浩椿 広計
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2019 年 60 巻 4 号 p. 88-95

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抄録

食品中の対象微生物数は微生物学試験において非常に重要な項目の一つである.寒天平板当りの微生物コロニー数の分布は食品乳剤中の微生物細胞の分布を反映していると考えられる.しかし,食品試料について,(1)計数する希釈液中での寒天平板当たりのコロニー数の確率分布および(2)平板枚数と平板当たりのコロニー数の関連はこれまで詳しく検討されていなかった.そこで本研究では生の食品試料(ウシ,ブタの挽き肉および乳)と微生物培養液(大腸菌,黄色ブドウ球菌および酵母)を使ってこれらを検討した.結果として,4種類の主要な確率分布の中で,食品試料の平板当たりの生菌数は負の2項分布,ポアッソン分布および正規分布でよく表すことができた.培養液は2項分布,ポアッソン分布および正規分布でよく表すことができた.次に,これらの実験データから繰り返しを許してランダムに取り出した多数のデータを用いて,平板当りのコロニー数の平均値に対する平板数の影響を調べた.その結果,平板数が多いほどコロニー数の平均は変動が少なく,変動係数も減少した.これらの結果は中心極限定理からの推測値と一致した.本研究の結果は,日常検査されている食品の平板当たりのコロニー数の持つ特性について有用な情報となるであろう.

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© 2019 公益社団法人 日本食品衛生学会
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