食品衛生学雑誌
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調査・資料
セルフクリーニングイオン源搭載GC-MS/MSによる農産物中残留農薬分析の検証
大久保 祥嗣 八木 正博
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2021 年 62 巻 1 号 p. 14-19

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抄録

農産物中に含まれる農薬の分析を,セルフクリーニングイオン源搭載GC-MS/MSにより行うことについて検証を行った.セルフクリーニングイオン源は,測定終了後または測定中常時,イオン源内に水素を一定圧で注入することにより,イオン源の汚染を防ぐ機能を有したイオン源である.セルフクリーニングイオン源搭載GC-MS/MSにより,農産物中の農薬分析を行ったところ,明瞭なイオン源の汚染防止効果がみられた.251種類の農薬成分において良好なピーク感度が得られ,253成分について決定係数(R2) 0.990以上の検量線が得られた.6作物による添加回収試験では180~221成分が,真度70~120%,併行精度25%未満の目標基準に適合した.

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© 2021 公益社団法人 日本食品衛生学会
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