食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
報文
合成樹脂製の器具・容器包装における溶出試験の精度の検証
尾崎 麻子 六鹿 元雄岸 映里阿部 智之阿部 裕安藤 景子石原 絹代牛山 温子内田 晋作大坂 郁恵大野 浩之風間 貴充加藤 千佳小林 尚佐藤 環柴田 博関戸 晴子髙島 秀夫田中 葵外岡 大幸花澤 耕太郎山口 未来山田 悟志吉川 光英渡辺 一成佐藤 恭子
著者情報
ジャーナル フリー
電子付録

2022 年 63 巻 2 号 p. 51-61

詳細
抄録

溶出試験は器具・容器包装の規格適合性や安全性を確認するうえで重要な試験法であるが,溶出操作から定量までを含めた溶出試験全体の試験室間共同試験はほとんど実施されていない.そこで,22機関が参加し,広範なオクタノール/水分配係数を有する10物質を添加した8種類の合成樹脂製モデル試料を用いて試験室間共同試験を行い溶出試験全体の精度を検証した.その結果,HorRat (r)は大部分が基準を満たしたが,HorRat (R)は基準を超過したものが多かった.そのため,単一試験室で行うには精度は概ね確保されるが,試験室間の精度には問題があった.この主な原因としては,試験機関間における溶出操作時の温度や時間管理等の試験溶液の調製操作の差異によるものと考えられた.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 日本食品衛生学会
次の記事
feedback
Top