食品衛生学雑誌
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酵素的DNA分解の影響を受けにくいリアルタイムPCRを用いた加工食品中のゴキブリに対する加熱履歴評価法
門田 陽子向後 智子真野 潤一
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2026 年 67 巻 1 号 p. 8-15

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抄録

我々はゲノムDNAの断片化の程度を評価することで,加工食品中で見つかった昆虫(ゴキブリ)の加熱履歴を評価するリアルタイムPCR法についてこれまでに報告している.本研究において,昆虫の死後に酵素によるDNA分解が起こり,従来法では加熱によるDNA断片化と酵素分解を区別できないという課題が明らかとなった.この問題に対処するため,ミトコンドリアDNAを標的とする改良法を開発した.この改良法は,酵素によるDNA分解に影響を受けにくく,レトルトカレー製品に25℃で3日間浸漬したクロゴキブリ試料でも加熱によるDNA断片化を正確に検出できる可能性が示唆された.実際の検査において使用可能な体の部位が限られていることを考慮し,クロゴキブリ虫体を9つの部位に分けて分析を行ったところ,改良法はすべての部位においてΔΔCq値が小さく,ミトコンドリアDNAがゲノムDNAよりも酵素によるDNA断片化を受けにくいことが示唆された.この改良法は,100℃を超える温度でのDNA断片化の評価が可能であり,レトルト食品中の昆虫異物の加熱履歴解析への応用が期待される.

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