1970 年 11 巻 6 号 p. 449-454
Hobbs型ウェルシュ菌8238 (2型) の胞子について, 耐熱性胞子数および全胞子数を測定比較し, 同時に非耐熱性 (80°20分) 胞子の休眠状態を観察した.
1) AGA, LGAおよびクックドミート培地のいずれの培養でも, 胞子の大多数は非耐熱性であり, ごく少数が耐熱性であった.
2) LGA培地により同調的に培養した場合, 非耐熱性胞子はほとんど休眠せず, 形成段階から速やかに発芽段階へ移行した.
3) 非耐熱性胞子の形成段階から発芽段階への移行は低温度 (3°) 培養, 好気的条件によっておそくなった. 高濃度 (10%) 塩化ナトリウムは形成過程を遅延させ, 低濃度 (0.95%) 塩化カルシウムは形成および発芽過程を遅延させた.