「紅茶キノコ」と呼ばれる嗜好飲料の安全性の解明を目的として微生物学的ならびに有機酸組成の検討を行った.「紅茶キノコ」液から検出した微生物は Acetobacter xylinum, Saccharomyces cereviciae, S. inconspicus, Candida tropicalis, Debaryomyces hansenii などであった. これらの菌の凝塊形成至適温度は26~27°で, 菌の発育により紅茶液のpHは最終的に3.1以下となった. また, 本液に各種病原細菌を接種し生存性を検討した結果, いずれも48時間以内に死滅したことから, これらの菌により汚染される危険はほぼないものと考えた. 一方,「紅茶キノコ」液中に存在した有機酸の95%以上は酢酸で, 他に微量の乳酸およびギ酸が認められた.