食品衛生学雑誌
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バイ貝肝臓中のカドミウムの分布とその化学形態に関する研究
土肥 祥子小坂 菊枝
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1978 年 19 巻 3 号 p. 282-293_1

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抄録

カドミウム (Cd) を高濃度に蓄積しているバイ貝肝臓中のCdの細胞内分布とその存在形態について検討した. 肝細胞中のCdの30%が可溶性画分に分布しており, 70%は不溶性顆粒画分に存在している. 顆粒部分に含まれるCdの半分は高イオン強度や10mM EDTAにより可溶化されるが, 熱湯処理や消化酵素によってはさほど可溶化されない. また酸, アルカリで可溶性Cdは増加する. ショ糖等張液による可溶性Cdはゲルろ過によると主に高分子タンパク部F-Iに, 少量が低分子量 (分子量約1万) タンパク部F-IIとさらに小さい低分子成分F-IIIの三つに分画され, 特にF-IIは2-メルカプトエタノールによってCdに対する親和性が増加する. タンパクとCdの結合は強くEDTAや酸で処理してもCdの解離は遅い.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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