食品衛生学雑誌
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大豆中の銅およびカドミウムの限外ろ過
大豆中銅の化学形態 (第1報)
田中 凉一吉田 精作樫本 隆
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1980 年 21 巻 4 号 p. 243-246_1

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抄録

大豆中の銅 (Cu) およびカドミウム (Cd) の存在形態について, 水抽出, 限外ろ過法を用いて検討した. 水抽出によりCu, Cdともに約6割が抽出された. 水抽出におけるpHの影響では, Cu, Cdとも pH 4~5で最も低い抽出率を示した. 抽出液の紫外部吸収 (280nm) および総窒素量も同様にpH 4~5で最低値を示し, Cu, CdとpH 4~5で等電点沈殿を生じるタンパク質との間に相互関係があることが考えられた. 抽出液の限外ろ過では, Cdはその約9割が分子量約4万以上の分画に存在することがわかった. しかし, Cuでは分子量約4万以上に約21%, 約4万から1万に約28%, 残りの半量は分子量1万以下と広い分子量範囲に分布し, Cdとその存在形態が明らかに異なり特徴的であることが明らかとなった.

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