食品衛生学雑誌
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ラットにおける PCQ (Polychlorinated Quaterphenyl) の生体内分布および排せつ
堀 伸二郎樫本 隆国田 信治
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1980 年 21 巻 4 号 p. 294-300_1

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抄録

使用済熱媒体 (KC-400) から分離したPCQをラットに経口投与し, そのふん尿中への排せつおよび各組織中のPCQ濃度測定ならびに質的解析を行った. PCQ (44mg/匹) を1回投与すると6日間で投与量の96.7%がふん中に排せつされ, 尿中への排せつはこん跡程度であった. 又投与後6日目における各臓器中の蓄積濃度は, 肝臓において最高値 (41.99ppm) を示し, その量はラット体内に蓄積されたPCQの約50%に相当した. 一方10回連続投与 (1.26mg/匹/日) した時のPCQの生物学的半減期は, 14.11日 (肝臓)~41.30日 (脂肪組織) の間であった. 又肝臓と脂肪組織の間で蓄積PCQに質的な差異が認められた.

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