食品衛生学雑誌
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輸入高麗人参茶およびしなちく中の安息香酸の由来とその分析法について
小川 俊次郎鈴木 英世外海 泰秀伊藤 誉志男慶田 雅洋
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1980 年 21 巻 4 号 p. 301-306_1

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抄録

エーテルを用いる溶媒抽出法, 水蒸気蒸留法, 水蒸気蒸留法変法 (留液500mlを採集) およびアルカリ分解法の4種の前処理法で抽出・精製した安息香酸 (BA) をGLCで定量し, 高麗人参茶およびしなちくについて比較した. 溶媒抽出法では遊離のBAのみが検出される. 水蒸気蒸留法による値はこれよりもやや高く, 捕集液の量をふやすにつれBAの値が増加する. これは結合型安息香酸が加熱中に徐々に分解するためと考えられる. アルカリ分解法により総BAを定量できる. 天然由来のBAは大部分結合型と考えられるので, 添加BAの測定には溶媒抽出法, 総BAの測定にはアルカリ分解法の使用が適当である.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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