チーズ中のリン含量を測定し, 国産プロセスチーズのリン含量が輸入ナチュラルチーズのそれよりも, 平均して2倍近く高いことを知った. 一方カルシウム含量は両者でほぼ同程度であった. リンとカルシウムの比は, ナチュラルチーズでは0.62から0.86の間の値を示したのに対し, プロセスチーズでは変動が大きく, 多くは0.90より高い値であった. また薄層クロマトグラフィーによるリン酸塩の定性試験では, プロセスチーズからピロリン酸塩を主とする縮合リン酸塩が検出された. これらのことから, 国産プロセスチーズの高いリン含量は縮合リン酸塩も含めたリン酸塩の添加によるものと推測された.