食品衛生学雑誌
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穀類中の Citrinin のけい光分析法
食品中のマイコトキシンに関する研究 (第15報)
中里 光男冠 政光中沢 久美子有賀 孝成藤沼 賢司西島 基弘直井 家壽太
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1981 年 22 巻 5 号 p. 391-396_1

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抄録

穀類中の citrinin のけい光定量法について検討した. citrinin は塩化アルミニウムと反応するとけい光が増強されること, また, 反応生成物は極性溶媒に溶解しやすくなることから, 溶媒分離に応用し分析法を作成した. すなわち穀類中から citrinin を酢酸エチルで抽出した後, 炭酸水素ナトリウム溶液, 次にクロロホルムに転溶した. このクロロホルム層に塩化アルミニウム・メタノール溶液を加えて, citrinin と反応させた後, 水を加え, 生じたけい光物質を抽出し, 抽出液のけい光を測定して定量した. 本法を各種穀類に応用した時の回収率は76~103%であり, 検出限度は試料中の濃度として0.05ppmであった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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