穀類中の citrinin のけい光定量法について検討した. citrinin は塩化アルミニウムと反応するとけい光が増強されること, また, 反応生成物は極性溶媒に溶解しやすくなることから, 溶媒分離に応用し分析法を作成した. すなわち穀類中から citrinin を酢酸エチルで抽出した後, 炭酸水素ナトリウム溶液, 次にクロロホルムに転溶した. このクロロホルム層に塩化アルミニウム・メタノール溶液を加えて, citrinin と反応させた後, 水を加え, 生じたけい光物質を抽出し, 抽出液のけい光を測定して定量した. 本法を各種穀類に応用した時の回収率は76~103%であり, 検出限度は試料中の濃度として0.05ppmであった.