食品衛生学雑誌
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ピログルタミン酸と亜硝酸塩の反応について
山田 隆山本 都谷村 顕雄
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1981 年 22 巻 5 号 p. 404-408_1

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抄録

アミド化合物のひとつであるピログルタミン酸 (PG) は, ある種の植物性食品に比較的多量に含まれている. ニトロソアミドはヒトの胃ガンに関係している可能性があるので, PGと亜硝酸塩との反応を試みた. PGは酸性で亜硝酸塩と反応して, ニトロソピログルタミン酸 (NPG) と考えられる物質を生成したが, その生成速度はきわめて遅かった. pH 2.5, 37°における反応速度定数は1.23×10-3M-1min-1であり, これはメチル尿素のニトロソ化の反応速度定数の0.03%であった. 唾液中や食品中に含まれていてニトロソ化反応を促進するチオシアン酸, 酒石酸, クエン酸の影響を検討したが, いずれも著しい促進効果は示さなかった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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