食品衛生学雑誌
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フグ卵巣ぬか漬けの毒性
フグ卵巣ぬか漬けの減毒に関する研究 (第1報)
小沢 千重子
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1983 年 24 巻 3 号 p. 258-262_1

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抄録
石川県の特産品であるフグ卵巣ぬか漬けの製造方法の改善を目的とした一連の研究を開始するにあたり, 2, 3の予備的実験を行った. まず, フグ毒の抽出法を比較したところ0.1%酢酸及び酢酸酸性メタノール抽出法より熱水抽出法の方が効率がよいことがわかった. ぬか漬け卵巣の毒力を測定すると長期のぬか漬けを経たものにもかなりの毒力が認められた. 一方, マウスに腹腔内投与するテトロドトキシン溶液中の食塩濃度が増すとマウスの致死時間がかなり遅延することがわかった. また, フグ卵巣抽出液が腐敗すると毒力がすみやかに低下するという報告について検討したが, 腐敗と毒力との間に明確な関係は認められなかった.
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© 社団法人 日本食品衛生学会
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