1983 年 24 巻 6 号 p. 569-572
Staphylococcus aureus 分離培地として新たに考案したテルライト・グリシン・食塩卵 (TGSE) 寒天を従来より知られるスタヒロコッカス培地No. 110, 食塩卵寒天, テルライト・グリシン寒天及び Baird-Parker によるETGP寒天と比較し, スタンプアガー法への応用について検討した.
1) TGSE寒天の S. aureus に対する発育支持力は, 食塩卵寒天及びスタヒロコッカス培地No. 110と並んで良好であった. 一方, テルライト・グリシン寒天はもっとも悪く, ETGP寒天はこれらの中間に位置した.
2) S. aureus 以外の菌に対する抑制力は, TGSE寒天がもっとも強く, テルライト・グリシン寒天もこれとほぼ同等であった. 食塩卵寒天及びスタヒロコッカス培地No. 110はかなり弱い抑制力しかもたず, ETGP寒天はこの場合も中間的であった.