1984 年 25 巻 1 号 p. 10-18_1
食用タール色素の製品検査における色素試験法を改良する試みとして, 色素中の有機性不純物及び主色素を高速液体クロマトグラフィーで同時定量するための簡易試験法を提案した. カラムには Zorbax C8を用い, 基本液に1%酢酸アンモニウム溶液 (pH 8.0), 添加液に20%アセトニトリルーメタノール混液を使用する濃度勾配法により, 11種類の許可食用タール色素について同一条件で測定できた. 有機性不純物含量の算出は, 無色有機性不純物 (未反応原料, 反応中間体等) 及び副色素の総量で表示した. 本法を用いて1982年度に生産された46検体の色素を調べた結果, 総有機性不純物含量が3%を越えるものが11検体見られた.