1984 年 25 巻 2 号 p. 185-192_1
マウス体内の硝酸塩の運命をNa15NO2及びK15NO3を使用して行った. 定量にはNO3-15Nと2-sec-ブチルフェノールを反応させニトロ化後, N,O-ビス (トリメチルシリル) アセトアミドを用いてシリル化し, 基準イオン (m/e239) をモニターするGC-MS法を用いた. この結果, 本法の定量限界はNO3-15Nで0.08μg/mlで, NO3-15Nに特異的な方法であった. マウスにNO2-15N及びNO3-15Nとして100μg又は500μgを経口投与し, その後, 180分までのNO3-15Nを脳, 肺, 脾臓, 心臓, 腎臓, 肝臓について記の方法で測定した. その結果, NO2-15Nの場合は, 各臓器とも投与30分後で最高値を示し, 以後はゆるやかに減少した. NO3-15Nの場合は,各臓器とも投与45分後で最高値を示し, NO2-15Nの場合と同様にゆるやかに減少した.