食品衛生学雑誌
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市販フライ食品からの抽出油脂における家兎赤血球の溶血量と理化学的指標との相関
豊田 正武伊藤 誉志男原田 基夫
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1984 年 25 巻 3 号 p. 272-277

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抄録

1) 市販フライ食品57検体から抽出した油脂について, 家兎赤血球を用い50%溶血に必要な油脂量 (C50:mg) とAV, POV, COV及び泡立ち性との関係を調べた.
2) 新鮮天ぷら油でC50は5.00~6.15mg (平均5.4mg), 家庭での使用済フライ油で2.80~3.30mg (平均3.0mg) であった.
3) フライ食品から抽出した油脂のC50は, さつま揚で0.77~4.00mg (平均2.24mg), 油揚で0.96~7.45mg (平均3.89mg), いか天ぷらで0.88~5.70mg (平均3.62mg), ごぼう巻, 魚フライ, 生揚などのその他のフライ食品で1.98~7.43mg (平均3.86mg) で, さつま揚のC50値は低かった.
4) 抽出油脂のC50は, AV, COV及び泡の高さ (油揚を除く) と相関し, POVとの相関は低かった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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