1985 年 26 巻 5 号 p. 460-464_1
甘味料, グリチルリチン酸ニナトリウム (NaG) のラット胎仔に及ぼす毒性を検討した. 妊娠0日から20日の間にNaGを2, 0.4及び0.08%含む飼料で飼育し, 妊娠20日に胎仔を観察した. 別の1部は分娩させ新生仔の発育状態を観察した. 妊娠期間中の飼料摂取量及び体重の増加はどのNaG投与群も対照群と有意な差は認められなかった. 胎仔の骨格及び内臓検査では催奇形作用は認められなかった. 黄体数, 着床数, 生存胎仔数, 死亡胎仔数, 胎盤重量, 胸骨核及び尾椎骨の化骨数, 新生仔の性比, 新生仔の生存率及び体重の増加などにNaG投与群と対照群の間の有意の差は認められなかった. 以上から, NaGはこの条件下では胎仔毒性は示さないものと考えられた.