魚介類から分離した酵母 C. sake, C. lipolytica, Cr. laurentii, Tr. cutaneum, Tr. pullulans と細菌 Alcaligenes sp., B. subtilis, P. fluorescens, S. epidermidis を滅菌サバ, エビ, イカの各々に単独接種し, 5°, 15°25°で2週間培養した場合の腐敗過程を観察し, pH及び揮発性塩基窒素を測定した. 供試酵母菌株の中では C. lipolytica による腐敗作用が最も強く, 25°培養では2日目から軟化し始め, 7日目にはアンモニア臭とネトが発生した. pHは著しく上昇し, VBNも極めて高い値を示した. 他の4菌種の酵母にも程度の差はあったが, 供試細菌菌株と同様な腐敗現象が認められた. C. lipolytica と P. fluorescens の腐敗力は類似していた.