1988 年 29 巻 5 号 p. 325-330_1
食用タール色素中の塩化物及び硫酸塩の定量に, ノンサプレッサー方式のイオンクロマトグラフィー (IC) の応用を試みた. 陰イオン交換型カラムと電気伝導度検出器を用い, 色素水溶液 (1mg/ml) を直接ICに供した. 国立衛生試験所標準品を用いた塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの添加回収実験では, すべての食用タール色素について, 両塩ともほぼ100%の回収率を得た. 次に, 食品添加物公定書に定められている滴定法とIC法を比較検討した結果, IC法の方がより良好な回収率でかつ, 測定精度の高い方法であることが明らかとなった. また, 食用タール色素アルミニウムレーキ中の水溶性塩化物及び硫酸塩の定量にも本法を応用したところ, 良好な結果を得た.