食品衛生学雑誌
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高圧ロ紙電気泳動法による水溶性タール色素の分析に関する研究 (第3報)
Violamine R の副色素について
寺島 敏雄
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1962 年 3 巻 2 号 p. 140-144

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抄録

(1) 市販 Violamine R に混在する副色素が Violamine disulfonate であることを証明し, 同時に副色素を定量して主色素との混合比を測定した.
薬事法によれば Violamine R は純度75.0%以上と規定され, 定量には三塩化チタン法を採用しているが, 本例のような未精製品には不可避的に著量の副色素が含まれるので, 本定量法のみで純色素を定量するのは不合理である. もし副色素の混在を許すとすれば許容量を規定する必要があると考える.
(2) Violamine base のスルホン化条件を検討した. ベースのスルホン化剤には普通純硫酸とか発煙硫酸が用いられるが, 本例のようにモノスルホン化物を目的とする場合には前記のスルホン化剤はポリスルホン化物を生ずる恐れがあり不適当で, 96%硫酸を用いることにより初めて目的を達しうる.

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