食品衛生学雑誌
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酵母及び細菌を単独又は混合接種した魚介類における揮発性塩基窒素の経日変化
食品の腐敗に関する研究 (第5報)
小畠 満子外海 泰秀小林 加代子伊藤 誉志男
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1989 年 30 巻 1 号 p. 19-26_1

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抄録

酵母 Candida lipolytica, 細菌 Staphylococcus epidermidids, Pseudomonas fluorescens を滅菌魚介類ホモジネートに単独または混合接種し, 5°, 15°, 25°で1週間保存した場合の生菌数, pH値, 揮発性塩基窒素 (VBN) の生成量を経日的に測定した. C. lipolytica の生菌数は細菌2菌種のそれらよりは2~3オーダーも低かったが, C. lipolytica によって生成されたVBN量は S. epidermidis によって生成されたそれよりは極めて高く, P. fluorescens によって生成されたそれと近似していた. C. lipolytica によるVBN値は25°保存では早くも2日目に70mg-N/エビ100g, 7日目には233mg-N/エビ100gに達した. また C. lipolytica は細菌との混合接種試料中においても優勢に増殖し, 3週間保存後には細菌よりも高い生残性を示した.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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