食品衛生学雑誌
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生ハムの製造工程中における微生物叢の変化
生ハムの安全性確保に関する微生物学的研究 (1)
中島 英夫山中 洋之鮫島 隆秋山 茂鈴木 昭
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1989 年 30 巻 1 号 p. 27-31_1

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抄録

生ハムの製造工程における微生物叢の変化を水分活性及び食塩濃度との関連で調査した. 製造工程が進むにつれて食塩濃度の上昇及び水分活性の低下が起こり, 原料肉の微生物叢は塩漬終了後, グラム陰性菌, Micrococcus, Streptcoccus 及び Lactobacillus など多様なものから Micrococcus からなる単純な微生物叢へと変化した. また, 一般生菌数は, 原料肉で104cells/gであったものがスモーク工程から乾燥工程へ進むに従って徐々に減少し, 乾燥終了後は 80cells/gまで低下し, 大腸菌群, 腸球菌も陰性となった. 生ハムの製造工程における微生物学的特性と水分活性の変化を表す CTEA system を提唱し, 製造中の品質管理及び最終製品の品質評価に利用し得ることの可能性を示した.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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