1989 年 30 巻 3 号 p. 250-253_1
牛肉中に混入したクレゾール化合物 (o-, p-及びm-体)の分析法を検討した. 抽出分離の方法として試料の水蒸気蒸留を行った後, その留液の液液分配によりクレゾール化合物を有機溶媒中に抽出した. これをガスクロマトグラフィー (GC) 及びキャピラリーGC-マススペクトロメトリーにより分析した. 牛ミンチ肉及びその肉を用いたハンバーグからクレゾール化合物が検出されたが, その他の市販牛肉5検体からの検出量はいずれも検出限界 (0.2ppm) 以下であった. ハンバーグ中のクレゾール異性体の濃度は牛ミンチ肉よりもそれぞれ低い値を示したが, 異性体相互の濃度比率は両検体では一定の値を示した.