1989 年 30 巻 6 号 p. 548-551_1
カプサイシン (CAP) をラットに14日間経口投与して肝臓の薬物代謝活性に対する影響を調べた. CAPを体重kg当り50, 100, 500mg経口投与した結果, 500mg/kgにのみ体重増加の抑制が認められた. in vivo の mixed function oxidase 活性の指標とされるペントバルビタール (50mg/kg, i. p.) による睡眠時間がCAP (50mg/kg) により有意に (P<0.01) 延長された. しかし, MFO活性にかかわるチトクロムP-450量, アニリンヒドロキシラーゼ, アミノピリンデメチラーゼ活性には有意な変化をもたらさなかった. 一方, 薬物代謝の第二段階酵素のグルタチオンS-トランスフェラーゼ, UDP-グルクロニルトランスフェラーゼ活性はCAPにより有意に (P<0.05) 低下した.