トリリノレイン (TL) 及びトリオレイン (TO) の通気酸化に際して, アスコルビン酸ステアリン酸エステル (AS) の酸化防止効果及びα-トコフェロール (α-Toc) とのシナージスト効果についての実験を行い, 遊離アスコルビン酸 (AA) と比較した. 各試料は遮光して75°で通気酸化し, POV 500を示す時間を誘導期間として比較した. TL及びTOにAS 0.01~2.0mM/kgを添加して酸化したが, ASの酸化防止効果は認められなかった. TLにα-Toc 1.0mM/kgを添加しAS 0.01~2.0mM/kgを併用した試料ではASのシナージスト効果は著明でありα-Tocのみの場合に比べて2.5~3倍の誘導期間の延長がみられた. TOにα-Toc 0.1mM/kgを添加しAS 0.01~0.3mM/kgを併用した試料についても同様の効果がみられた. ASのシナージストとしての濃度には最適値があり, これを超えて加えても効果は上がらなかった.