食品衛生学雑誌
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培養根と母植物根への金属の取り込みの比較 -セイヨウアカネ及びカンゾウについて-
佐藤 恭子合田 幸広山崎 壮米谷 民雄義平 邦利
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1991 年 32 巻 6 号 p. 538-542_1

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抄録

組織培養技術による生産物の安全性の基礎的知見を得るため, セイヨウアカネとカンゾウを用い, 培養根への金属 (Ca, Mg, Fe, Mn, Zn, Mo, Cu) の取り込みについて, 母植物根のそれと比較した. 培養根中の金属含量は培養根の種類, 培地に添加した植物ホルモン (インドール酢酸及びカイネチン) の濃度により異なったが, 母植物根との違いの方が大きく, 培養根中のMn, Zn, Mo 濃度は母植物根中より1桁高かった. 培養液中の金属ではCuの移行率が最も高く, Zn, Moの移行率も高かった. 一方, 土壌中の金属の移行率ではCaが最も高く, Feの移行率が著しく低かった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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