食品衛生学雑誌
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次亜塩素酸ナトリウム処理野菜における残留塩素の消失とクロロホルムの生成
日高 利夫桐ヶ谷 忠司上條 昌彌木川 寛河村 太郎河内 佐十
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1992 年 33 巻 3 号 p. 267-273_1

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抄録

浸漬液中の次亜塩素酸ナトリウム (NaClO) の濃度を変えて, もやし及びキャベツ中の残留塩素とクロロホルム (CHCl3) の生成量を調べた結果, 残留塩素, CHCl3ともにNaClO濃度が高くなるにつれて増加した. しかし, キャベツにおけるCHCl3の生成量はもやしより少なかった. NaClO溶液で処理したもやし及びキャベツをガラス製容器に保存し, 残留塩素及びCHCl3生成量を経時的に調べた結果, 残留塩素は低温保存の場合に損失が少なく, CHCl3は塩素の残存している間は増加した. また, 温度の異なるNaClO溶液にもやしを浸漬して調べた結果, 処理温度が低いほどCHCl3の生成量は少なかった. したがって, 野菜をNaClO溶液で処理する場合, CHCl3の生成の少ない低温処理が望ましいことが分かった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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