食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
鶏卵, 肝臓及び鶏肉の調理加工によるフタル酸エステルの減少
石田 光晴
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 34 巻 6 号 p. 529-531_1

詳細
抄録

1%フタル酸ジエチルヘキシル (DEHP) 混入飼料を4週間投与した産卵鶏の卵, 肝臓及び胸肉に含まれるDEHPについて, 凍結乾燥, ロースト, ボイル, フライの各種調理加工法による含量の変動を調べた. 調理加工別による減少率は, 卵及び胸肉の場合, 凍結乾燥で21.1~43.5%, ローストで32.2~52.5%, ボイルでは17.9~33.1%及びフライで29.4~43.5%であり, 肝臓ではボイル, フライで約10%減少した. 調理後の各試料におけるDEHPの残留率は, 卵56.5~82.1%, 肝臓64.9~94.1%及び胸肉47.5~78.9%であり, 肝臓における残存率が最も高かった. 挽肉にした胸肉試料では, 約7時間の加熱によって, DEHP濃度は加熱前の1.98ppmから時間の経過に伴い減少し, 約1.5ppmで平衡状態になった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top