食品衛生学雑誌
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ラム肉の加熱による多環芳香族炭化水素の生成
中野 益男福島 道広
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1994 年 35 巻 1 号 p. 41-45_1

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抄録

加熱によるラム肉中の多環芳香族炭化水素 (PAHs) の生成について調査した. ラム肉 (200g, 水分65.2%) を炭火500~600°で, それぞれ0, 3, 5, 10, 15, 20分間加熱し, クロロホルム-メタノール (2:1, v/v) で3回抽出して, 脂質成分を得た. この脂質成分からシリカゲルカラムクロマトグラフィー及びTLCにより, PAHを分離・精製し, HPLC及びGC/MSにより同定・定量を行った. その結果, ラム肉中の脂質成分は加熱時間の経過とともに減少した. 総PAH含量は, 通常食される加熱時間3分で最大となり, その後緩やかに減少した. PAH組成はアントラセン・フェナントレン, 9-メチルアントラセン, フルオランテン, ピレン, クリセン, ベンゾ [a]ピレン, ジベンゾ [a, h] アントラセンであった. 生成されたPAHを変異原活性に変換すると加熱時間3分で最大値を不し, その後減少した. また, 加熱によるPAHの生成はラム肉中の脂質成分含量との間に高い相関関係 (r=0.926, p<0.05) が認められた.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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