食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
輸入農作物中の農薬残留実態
永山 敏廣小林 麻紀塩田 寛子田村 行弘
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 36 巻 5 号 p. 643-655_1

詳細
抄録

輸入農作物 (1988~1992年) 80品種825作物中の農薬残留実態を調査した. 有機リン系農薬38種, 有機塩素系農薬24種, カーバメイト系農薬7種及びその他の農薬9種の計78種類の農薬について調査した. これら農薬のうち29種類の農薬が35品種 (検出率: 44%) 200作物 (24%) から痕跡 (0.01ppm未満) ~17ppmの範囲で検出された. かんきつ類及び穀類から農薬が検出されやすい傾向が認められ, クロルピリホス, ジメトエート, BHC, ジクロラン及びカルバリルが比較的多くの品種の作物から検出された. 農薬は, 検出品種数で比較すると中南米産, 北米産及びオセアニア産の作物から検出されやすい傾向が認あられ, 検出作物数で比較すると北米産, アジア産及びオセアニア産の作物の検出率が比較的高かった. 検出された農薬の種類は北米産の作物が最も多かった. 残留基準値を超えて農薬が検出された作物はなく, 喫食上特に問題はなかった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top